マスク騒動
ある日のこと。
私は電車の中にいました。
突然、左手の方から女性の大きな声が聞こえました。
声のする方を見ると。
堀の深いお顔の女性が大声を上げていました。
英語で叫んでいます。
女性の叫び声に対して、年配の香港人男性の声が聞こえました。
「マスクをしてください。」
それに対して女性が応えました。
「私はアメリカ人です。マスクはしません。」
それを聞いた周りの香港人が騒ぎ出しました。
「マスクしろ！」
「ここは香港だ！」
「公共の場では、どこの人間だろうと、マスクをつけるのが香港の法律だ！」
しかし、女性も負けていません。
「ヤダ！」
「マスクしない！」
蜂の巣を突いたような騒ぎになってきました。
とうとう、乗客の一人が緊急ボタンを押して通報してしまいました。
(通報する乗客)
緊急ボタンのマイクに向かって叫ぶ香港人。
「マスクつけない人がいる！」
それでも頑なにマスクを拒否する女性。
よく見ると、彼女の右手にはマスクが握られています。
逆に、なぜ そこまでマスクを拒絶するのか、わかりません。
電車が次の駅に到着すると、
その女性、素早く電車を降りました。
しかし、ドアの前のホームには数人の駅員が。
女性、走り去ろうと試みたようですが、その場で御用となりました。
電車が出発してしまったので、その後女性がどうなったのか見届けることはできませんでしたが、
たぶん、罰金HK$5,000(≒7~8万円)支払うことになったかと…。
電車が走り出して。
私の前に座っていた若い香港人女性が私の顔をじっと見て、
マスクの上から自分のお鼻をトントンと指さしました。
・・・あ。
私、マスクから鼻を出していました。
あんまり暑いので、私 時々すっとぼけて、
マスクを顎までずり下ろしていたり、
鼻を出したりして、
うちのコ達によく注意されます。
これからは、ちゃんとマスクしようと身震いした私でした。
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