今は昔
我が家の近所で。
面白い標識を見かけました。
「酒街」とか「利益街」とか書いてあります。
一番上が「元朗舊墟」となっていますが、
「元朗」はこの地区の名前です。
「舊」は「旧」の元の字、繁体字ですね。
「墟」は市場を意味します。
この標識の通りは昔、繁華街だったようです。
(古い建物が所々に残っていました)
「元朗(ユンロン)」は新界(New Territory)の西北にあるエリアです。
今は鉄道も通り、大きくてオシャレなショッピングセンターもあり、
新界の一大都市となっています。
住民も年々増えていると聞きました。
しかし、鉄道が通る前は草っ原があちこちにあり、野良牛さんがゆったりと草を食んでいる姿が見られる田舎でした。
余談ですが、私は昔、九龍に住んでいる香港人に「元朗に住む」と伝えたら、
「マカオより遠い!」
と驚かれました。
相当な僻地に感じられたエリアだったようです。
(元朗舊墟の古い建物)
その元朗。
今でこそオシャレなショッピングセンターや人口増加でブイブイ言わせていますが、
ちょっと横道にそれると、昔ながらの原住民の集落が結構あります。
この「元朗舊墟」もその一つです。
(元朗舊墟の古い建物)
聞いた話だと、
今から約300年前。
中国は「清」の時代でしょうか。
その頃の「元朗」はここが中心地でした。
今は跡形も見えませんが、当時この辺りは海岸で、中国へ行き来する船の港があったそうです。
この建物は当時のホテルだったそうです。
旅人はここに泊まって、旅の疲れを一時癒していたのでしょうね。
今は静かに人々が暮らしているホテル前のこの通りも、
当時は旅人達が賑やかに歩いていたんだろうな…と、想像してしまいました。
悠久の時を感じた散歩でした。
(通りの奥に廟がありました)
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