それ、私の
その日の表演は舞台のある体育館でした。
(本文とは別の日の写真です。)
その日は主催者繋がりで、大陸からの中国人が大勢参加していました。
私は剣の表演だったので、剣を持って行きました。
会場で、ある中国人男性が私に言いました。
「剣貸して。」
知らない中国人に、挨拶もなく、いきなりそう言われたので、多少面食らいましたが、貸しました。
その人、自分の表演終えて、私に言いました。
「この剣 やりにくい。」
…いや、あんた、文句の前に、ありがとうでしょ?
(本文とは別の日の写真です。)
その直後、別の中国人女性にスマホを渡され、その人の表演をビデオに撮るように頼まれました。
その人の表演が始まったので、スマホの画面を覗くと…
その人の右手には見覚えのある物が…
私の剣!!
なんか、使いまわされてる、私の剣?!
(本文とは…略)
その人の表演が終わると、待ちかねたかのように、私の肩を叩く人が。
香港人でした。
「あのぉ…、
あなたの水がこぼれています…。」
???
意味がよくわからないまま、その香港人の後について行くと…
私のリュックサックが置いてある場所に…。
そのそばで中国人の女性がペットボトルから床に水を垂らし、足の裏で濡れた床を擦っています。
その女性が手にしているペットボトルは、
私のリュックサックの脇ポケットに入っていた物です。
その女性、私を見て、言いました。
「ここの体育館の床、滑りやすいよねー。」
それで、水で靴の裏を湿らせ、滑りにくくしているのだそうです。
「それ、私の水なんだけど…。」
「あ、そう。はい。」
眩しい笑顔でペットボトル返されました。
屈託のない笑顔に、思わず
「ありがとう。」
と言って、自分の水を受け取った私でした。
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