中国人の自撮り
隣町の婦人会のパーティーに招かれました。
会場のレストランに着き、席に案内されました。
私がおとなしく座っていると、もう一人女の人が案内されて来ました。
その女の人、私を見ると、ニコッと笑い「ニーハオ!」と言い、隣に座りました。
大陸からの中国人です。
女の人、何か話しかけてきたのですが、私、聞き取れませんでした。
女の人、諦めたような表情をしました。
それから、女の人はスマホを鞄から取り出し、カメラを開き、自撮り画面に変えました。
女の人、前髪をいじります。
そして、顎を引き、パチリ!
女の人、撮った写真を確かめました。
しかし、写りが気に入らなかったのか、撮り直し。
パチリ!
写りを確かめ、またパチリ!
それを何度も繰り返しています。
時々、お顔を斜めに向けてみたりもしています。
そのうち、立ち上がり、スマホを上に挙げて、パチリ!
時々ピースしたりで、パチリ!
そこに、ウェイトレスさんが通りかかりました。
女の人はそのウェイトレスさんにシャッターを押すように頼みました。
女の人、腰に手をあて、足を交差させ、モデル並みのポーズ。
ウェイトレスさん、パチリ!
女の人、撮った写真を確認しますが、気に入らず、ウェイトレスさんに撮り直すように言います。
女の人、今度は両腕を上げて、鶴のようなポーズに構えました。
ポーズを変え、撮り直すこと数回。
ウェイトレスさんもさすがにイライラし始めました。
女の人が「次はこれで」と言い、ポーズを変えようとしたところで、ウェイトレスさん、スマホを女の人に押し付けるように返して、逃げて行きました。
女の人、一人で自撮りを続けます。
と、突然、表情が曇りました。
どうやら、スマホが電池切れのようです。
女の人、鞄からスマホのコードを出しました。
そして、辺りをキョロキョロ。
コンセントを差し込むところを探しているようです。
コード持ってて、充電器持ってない人も珍しいと思います。
そこに黒服のウェイターさんが通りかかりました。
女の人、ウェイターさんにコンセントの差し込み口がどこかを聞いています。
ウェイターさん「貸せません。」
女の人「それじゃあ、写真が撮れないじゃないの!!」と、お顔真っ赤にして怒っています。
プリプリして怒りながら私の隣に戻って来て、鞄にスマホをしまっています。
ブツブツと独り言で、
「全然写真撮れなかった!」
…え?
今まで散々撮ってたじゃん?
スマホの電池使い切るほど。
女の人、「帰るっ!!」
と、一言。
レストランを出て行ってしまいました。
台風が来て、通り去ったような
パーティー前
でした。
0コメント