平常心
試合に向けて、うちのコ達の練習が続きます。
(「個人戦」: 2019年7月1日)
(自主練)
うちのコ達には稽古の都度、毎回一人ずつ練習の成果を見せてもらいました。
そして、その度にQちゃんには邪魔を…もとい、他の選手役として一緒に太極拳してもらいました。
Qちゃんの自由奔放な動きに振り回されるうちのコ達。
Qちゃん、毎回、いい邪魔…失礼しました、いい仕事っぷりです。
本人いわく
「普通に太極拳しているだけ」
だそうですが。
しかし、3人も続くと、やはり疲れるようです。
大師姐,ステラ、デイジー、アジャン…お姐さん達が続けて試合用の太極拳をします。
彼女達は一人一回ですが、Qちゃんは続けて4回。
5人目のマルちゃん登場の頃には、すっかりバテていました。
(ある日の稽古直前)
そこで、Qちゃんにはビデオ係になってもらい、マルちゃんの太極拳を撮ってもらいました。
(ある日の稽古開始)
マルちゃん、コートの中央に立ちます。
お姐さん達、黙ってマルちゃんを見つめます。
Qちゃん、スマホを構えます。
マルちゃん、息を整えます。
そして、敬礼。
試合開始の合図のベル役で、私が口頭で
「チーン!」
マルちゃんの右足の踵が上がります。
なんとなく張り詰める空気。
……。
「ブハーックションッ!」
突然、何が起こったのでしょう?!
音のした方を振り向くと、Qちゃんが片手で口を押さえています。
Qちゃん、もう片方の手でスマホを必死に持ちながら、
「ブォーッホォッ!」
「ブホッ!
グシュッ!
グシュッ!」
クシャミを連発。
一方、マルちゃんは戸惑いながらも、太極拳を続けています。
でも、指先が震えています。
よく見ると、口元もヒクヒクしています。
お姐さん達はといえば、下を向いて、肩をプルプルと震わせています。
私、マルちゃんの方に向き直り、
「周りを気にせず、集中して!」
「平常心!」
と、ゲキを飛ばしました。
そういう私の声も震えているのが、自分でわかります。
マルちゃん、お姐さん達、私、ちょっと気を緩めると吹き出してしまいそうなのをこらえて、普通の呼吸もままならない状態です。
さっきとは違った意味で、空気が張りつめています。
その時、Qちゃんは。
何事もなかったような顔して、シレッとビデオ撮っています。
やっとの思いでマルちゃん、太極拳をやり終えました。
マルちゃんが最後の敬礼をした瞬間、皆ホッと大きな一息。
お姐さん達も私も笑いをこらえるのに必死で、マルちゃんの太極拳を見る余裕がなく、
マルちゃんに至ってはどう太極拳をしたのか、自分でわけわからなかったそうです。
そんな中、
Qちゃんだけが平常心を保ち、
ちゃんとビデオを撮っていたのでした。
Qちゃんが一番平常心保っていた、ある日の稽古でした。
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