マルちゃん家の水道管
香港の住宅では水道管が詰まる事がよくあります。
ある日、マルちゃん家の水道管が詰まってしまったそうです。
マルちゃん、詰まり物を溶かす洗剤を買ってきました。
結果、4瓶使っても、詰まりは直りませんでした。
そこで、業者さんを呼びました。
業者さんがマルちゃん家に来ました。
マルちゃんいわく
「こんな感じの人でした。」
業者さん「何か洗剤使いましたか？」
マルちゃん「はい。4本。」
と、使った洗剤の空き瓶を業者さんに見せました。
業者さん「効きましたか？」
マル「いえ。効かないから、あなたを呼んだのですが…。」
業者さん、自分が質問したマルちゃんの返答を、全部聞かないうちに、
「あ。この洗剤は中国製ですね。
これはダメです。効きません。」
そして、おもむろに
「詰まりにはこれが一番！」
業者さんが鞄から取り出したのは、まさかのメイド・イン・ジャパン！
業者さん「この洗剤と、私のこのポンプがあれば、どんな詰まりも直せます！」
業者さん、排水口に洗剤を流し込みました。
そして、自慢のポンプを排水口に差し込み、
「1、2、3…
バンッ！！！
・・・・・・。
破裂音。
業者さん「 …びっくりした…。」
マル「…え？」
目を見開いて排水口を見つめる業者さん。
その業者さんを見つめるマルちゃんも目を見開いています。
業者さん、突然着ていたTシャツを脱ぎ出しました。
業者さん「私は気合いを入れる時はいつも服を脱ぐんです。」
マル「・・・。」
業者さん、大きく深呼吸をして、再びポンプを排水口に差し込みました。
そして、マルちゃんを振り返り、しっかり見つめて、頷きました。
そこで、もう一度、深呼吸。
業者さん「落ち着いて…いくぞぉ…
それ、1、2、3…
バーーーンッ！！！
ズコーーーッという水が流れていく音！
排水口の詰まりが取れたようです！
業者さん「で、できた！」
キラキラとした目でマルちゃんの方を振り返りました。
マル「…え？」
見つめ合う大の男2人。
業者さん「もしかして…。」
マル「……。」
業者さん「あなた髪染めてる？」
マル「…え？…え？え？」
この状況での、まさかの方向からの質問。
マルちゃん一旦面食らったようですが、すぐ立て直しました。
マル「いえ。染めてないです。」
業者さん「染めてみない？」
マル「…え？…いや、結構です。」
業者さん「うちの家内が床屋を開いてます。」
マル「そうですか。」
業者「染髪は30ドル(500円弱)です。」
マル「そうですか。でも、僕、染めないです。」
業者「散髪も30ドルです。
私も時々、手伝って切るんですよ！」
マル「そうですか。じゃ、いつか機会があったら…。」
業者「ぜひ来てください！
なんなら、私とおしゃべりだけでもいいですよ！」
マル「・・・・・。」
業者さん、ニコニコしながら、床屋さんの名刺を置いていったそうです。
この後マルちゃん、汚れた排水口の周りを一人掃除したそうです。
マルちゃん、お疲れさまでした。
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